2012年6月6日水曜日

心の障害

オウムの菊地直子が逮捕された
テレビ報道で見るかぎりでは
逃走中の彼女はぼくよりもずっと人間らしい幸せな暮らしをしていた
介護の仕事をしていたという彼女は
職場の飲み会に参加し同僚を自宅に招いたこともあったという
買い物に出かけ近所の人に会えばふつうに挨拶をしたという
驚いたことに恋愛さらには同棲までしていた
ぼくにはできないことだらけだ
仕事も飲み会も恋愛も避けている
他人を自宅に上げたことなんてないし
近所の人の目を避けて生活をしているから挨拶なんてしたことない
どうやらぼくは指名手配犯にも劣る人生を歩んでいるらしい

オウム事件の報道を見るとぼくは精神病院に通院していた頃を思い出す
精神病院の待合室の大型テレビでは民放のワイドショーが流されていた
大震災とオウムに明け暮れた年だ
嫌でもオウム事件についての情報が耳に入ってくる
あの終末感には寂寥とさせられた
でもぼくの最大の関心ごとは自分自身のことだった
ぼくは人生の挫折感を感じてすっかり滅入っていた
人間関係が原因でで何度目かの就職に失敗したぼくは精神病院に救いを求めたのだ
ぼくは鬱病でないことはわかっていた
食欲はあるし性欲もあった
よく眠れていたし体重も増えていた
医師にはぼくは対人恐怖症ですと話した
「人が恐い病」「誰とも話せない病」という病気はあるのかと医師に真剣に聞いた
いろいろな薬を処方されたせいで一日中寝ているひきこもりの日々が続いた
結局快復なんてしなかった
薬には依存性があった
薬漬けの日々から抜け出すためにぼくはたいへんな努力をした

ぼくはパーソナリティ障害とか回避性人格障害とか
そういう類の人間じゃないだろうかと疑っている
病気はいつかは治るけれども障害は治ることはないというのが疑う理由だ
通院してもいろいろな薬を飲み続けても快復することはない状態
これは病気ではない
ただ人生のつまずきを心の病気のせいにしたかったのだ
就職がうまくいかないのは病気のせいだと思いたかった
病気だから人間関係がうまくいかないという理由づけが欲しかったのだ
パーソナリティ障害のリハビリは認知とくりかえしのディスカッションだという
そして周囲の理解が必要だともいう

ぼくはもう45歳だ
リハビリをして社会適応者になったとしても中高年に社会が適応してくれない
心のリハビリをするには遅すぎる

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